PFASの処理方法を徹底解説!処理に関する注意点と処理業者を選ぶポイントを紹介

PFASは近年、環境汚染で世界的に問題視されている化合物の1つです。

PFASとは、有機フッ素化合物で、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称した名称です。PFASは、適切な処理を行わない限り、環境中に残留し続けるため、処理方法は大きな課題として挙げられてきました。

また、PFASは近年日本でも、重要な環境問題として取り上げられているため、さまざまな規制やガイドラインの制定がされてきました。

本記事では、PFASの処理方法を詳しく解説し、処理に関する注意点や処理業者を選ぶポイントも合わせて解説します。PFASの処理を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

PFAS(有機フッ素化合物)とは?

PFAS(有機フッ素化合物)とは?

本章では、PFASの概要を詳しく解説します。

  1. PFASの種類と特徴
  2. 日本国内のPFAS規制について
  3. PFASの主な使用用途
  4. PFASの人体への影響とは?

PFASの種類や特徴、主な使用用途を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

PFASの種類と特徴

PFASとは、有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称してPFASと呼びます。

略称

読み方

正式名称

PFAS

ピーファス

ペルフルオロアルキル化合物

PFOS

ピーフォス

ペルフルオロオクタンスルホン酸

PFOA

ピーフォア

ペルフルオロオクタン酸

PFHxS

ピーエフヘキサエス

ペルフルオロヘキサンスルホン酸

現在、PFASの種類で規制の対象になっている化合物は以下の通りです。

  • PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
  • PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
  • PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)

引用:対象物質等一覧(METI/経済産業省)

PFASの大きな特徴としては、環境中に放置していても自然に除去されない点です。そのため、適切な除去や処理を行わないと蓄積されていきます。また、撥水性や撥油性、耐火性に優れている特徴もあります。

PFOAとPFOSの処理温度

PFOAとPFOSの処理温度は、以下の温度が適切であるとされています。

  • PFOS:850℃以上
  • PFOA:1000℃以上(1100℃以上が推奨)

PFOS含有の化合物に関しては、850℃程度の焼却処理で分解が可能ですが、PFOA含有の化合物に関しては、1100℃以上での焼却が必要です。

また、事前確認試験の実施の結果がPFOS等及びPFOA等の分解効率が99.999%以上であることや、分解処理にともない生じる排ガス中のフッ化水素(フッ素およびその化合物として)の濃度が、5 mg/m3Nを超えないことなど、分解処理に関するルールがあります。

参照:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する  技術的留意事項 

日本国内のPFAS規制について

国内の主なPFAS規制は以下の通りです。

  • PFOS:2010 年に第一種特定化学物質に指定し、一部の用途を除き製造・輸入等を禁止
  • PFOA:2021年に第一種特定化学物質に指定し、一部の用途を除き製造・輸入等を原則禁止
  • PFHxS:2024年に第一種特定化学物質に指定し、一部の例外を除き製造・輸入・使用を原則禁止

また、公共用水域や地下水、水道水のPFAS(PFOA、PFOS)含有の指針値も設定されています。

  • 公共用水域、地下水:環境省により、PFOS・PFOA濃度を合算値で50 ng/L以下と定められている。
  • 水道水:厚生労働省により、PFOS・PFOA濃度を合算値で50 ng/L以下と定められている。

今後も、日本国内のPFASに関する規制は強化されていくと予想されます。

引用:PFAS の概況と今後の対応 

PFASの主な使用用途

PFASは、撥水性や撥油性、耐火性に優れているため、さまざまな製品に使用されています。PFASの主な使用用途は、以下の通りです。

  • 防水・防油加工:衣料品、靴、カーペットなど
  • 調理器具:フッ素樹脂コーティングされた鍋やフライパン
  • 化学製品:潤滑剤や塗料、接着剤
  • 消火剤:工場や航空機火災の消火に使用される泡消火剤

上記のように、我々の日常生活を支えているさまざまな製品に使用されています。

PFASの人体への影響とは?

PFAS摂取による人体への影響は、ガンリスクの増加やホルモンバランスの乱れが公表されています。PFASの中でも、PFOS、PFOAの摂取が危険とされています。

世界保健機関(WHO)のがん機関である国際がん研究機関(IARC)は、ヒトの初代細胞および実験系(エピジェネティックな変化と免疫抑制、および発がん物質の他のいくつかの主要な特徴)の強力な機構的証拠もあったと公表しています。

また、PFOAやPFOSなどの化合物はホルモンの合成や働きに干渉し、甲状腺ホルモンに影響を与える可能性が高い研究結果も出ています。

上記のように、PFAS摂取によるさまざまな人体への影響が公表されているため、国内での環境汚染や規制に関する動きが活発になりました。

引用:WHO

引用:内分泌かく乱化学物質と甲状腺

廃棄物(PFOS・PFOA等)は処理に関するガイドラインが制定された

本章では、PFOS・PFOAの処理のガイドライン制定の背景や対象となる廃棄物の具体例を解説します。

PFOS・PFOAの処理について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

  1. ガイドライン制定の背景
  2. 対象となる廃棄物は?

ガイドライン制定の背景

廃棄物(PFOS・PFOA等)の処理に関する規制が定められた背景は、ストックホルム条約(POPs条約)でPFOS、PFOAが、規制物質の対象に定められたからです。

PFOS、PFOAを使用した製品の製造、使用段階から排出されたものが廃棄物になったものに関して、適正な処理を確保するために必要な技術的留意事項が、廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃棄物処理法)に定められています。

また、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化学物質審査規制法)で、PFOS、PFOAを第一種特定化学物質に指定し、製造および使用の制限等の措置が取られるようになりました。

対象となる廃棄物は?

対象となる廃棄物は、以下の通りです。

PFOS使用製品または、PFOA使用製品もしくはPFOS又はPFOAの原体が廃棄物になったものであり、製造、使用、廃棄等の段階から排出されるPFOS等またはPFOA等を含有する固形状又は液状の廃棄物です。

引用:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項の策定について | 報道発表資料 | 環境省

引用:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する  技術的留意事項 

PFOS・PFOAは分解処理方法が有効

PFOS・PFOAは分解処理方法が有効

本章では、PFOS、PFOAの分解処理方法を詳しく解説します。

PFOS、PFOAの処理を検討中の方や、処理方法の注意点が知りたい方はぜひ参考にしてください。

  1. 分解処理方法とは?
  2. 分解処理を行う際に注意すべきこと
  3. 処理施設の構造にも基準が設けられている

分解処理方法とは?

分解処理の主な方法は、PFOS、PFOA含有廃棄物を高温で焼却して処理する方法です。

PFOS含有廃棄物は850℃以上、PFOA含有廃棄物は1000℃以上(1100℃以上が推奨)での焼却処理が必要であると制定されており、設定温度以下での焼却では完全に処理ができません。

また、分解効率や分解処理にともなう排ガス等の管理目標値も定められているため注意が必要です。

引用:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する  技術的留意事項 

分解処理を行う際に注意すべきこと

分解処理を行う際の注意点は、主に以下の通りです。

  1. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物が飛散、流出しないようにすること。
  2. 分解処理に伴う悪臭、騒音、振動によって生活環境の保全上支障を生ずるおそれのないよう必要な措置を講ずること。
  3. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の分解処理のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上支障を生ずるおそれのないよう必要な措置を講ずること。 

また、PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物には、泡消火薬剤のように発泡性のものもあるため、投入に際しては留意が必要であるとの記載もあります。

引用:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する  技術的留意事項 

処理施設の構造にも基準が設けられている

処理施設の構造の基準は以下の通りです。

PFOS含有廃棄物および、PFOA含有廃棄物の処理施設の技術上の基準(一部抜粋)

  1. 自重、積載荷重その他の荷重、地震力及び温度応力に対して構造耐力上安全であること。
  2. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の分解処理に伴い生ずる排ガス及び廃水、施設において使用する薬剤等による腐食を防止するために必要な措置が講じられていること。
  3. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な構造のものであり、又は必要な設備が設けられていること。 

焼却施設の要件(一部抜粋)

  1. 外気と遮断された状態で、定量ずつ連続的にPFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物を燃焼室に投入することができる供給装置が設けられていること。ガス化燃焼方式又は処理能力が2トン/時未満の施設にあっても、定量ずつ連続的にPFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物を投入できるよう管理できる供給装置が設けられていること。
  2. 燃焼室中の燃焼ガスの温度を連続的に測定し、かつ、記録するための装置が設けられていること。

引用:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する  技術的留意事項 

PFOS・PFOAの含有廃棄物の処理に関する留意事項

PFOS・PFOAの含有廃棄物の処理に関する留意事項

本章では、PFOS・PFOAの含有廃棄物の保管や処理委託する際の留意事項を解説します。

PFOS・PFOAの処理に関して、不安がある方はぜひ参考にしてください。

  1. PFOS・PFOAの保管に関する留意事項
  2. PFOS・PFOAを処理委託する際の留意事項
  3. PFOS・PFOAの収集運搬に関する留意事項

PFOS・PFOAの保管に関する留意事項

PFOS・PFOAの保管に関する留意事項は、以下の通りです。(一部抜粋)

  1. 周囲に囲いが設けられていること。 
  2. 見やすい箇所に次に掲げる要件を備えた掲示板が設けられていること。

・縦横60cm以上であること。

・次に掲げる事項を表示したものであること。 

 PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の保管場所である旨

 保管するPFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の種類

 積み上げ高さ 

 保管の場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先 

  1. 保管の場所からPFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散しないよう適切な措置を講ずること。 

また、保管容器の留意事項もあります。(一部抜粋)

  1. 保管容器の基準については、廃PCB等の基準を準用したものである。
  2. 保管容器は、PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の性状、保管期間、移動時の取扱い、保管後の分解処理方法等に応じて適切な材質及び大きさの保管容器を選択すること。
  3. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物を収納した保管容器には、PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物である旨を表示するものとする。

結論、密閉できる、収納しやすい、損傷しにくいなどの要素が大切であると明記されています。

引用:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する  技術的留意事項 

PFOS・PFOAを処理委託する際の留意事項

PFOS・PFOAを処理委託する際の留意事項は、以下の通りです。(一部抜粋)

  1. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、他人の産業廃棄物の運搬又は処分を業として行うことができる者であって、委託しようとするPFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物の分類がその事業の範囲に含まれている者に対して行うこと。
  2. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物を産業廃棄物として運搬又は処分を委託する際には、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付し、収集運搬、中間処理、最終処分等の各段階で終了後に返送されたマニフェストの内容を確認の上、5年間保存しなければならない。 

そして、排出事業者は、処理業者に対してあらかじめ、PFOS、PFOA含有廃棄物の数量や種類、荷姿を通知しなければならないルールもあります。

引用:PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する  技術的留意事項 

PFOS・PFOAの収集運搬に関する留意事項

PFOS・PFOAの収集運搬に関する留意事項は、以下の通りです。(一部抜粋)

  1. PFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物が飛散し、及び流出しないようにすること。
  2. 収集又は運搬に伴う悪臭、騒音又は振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること。
  3. 運搬車及び運搬容器はPFOS含有廃棄物又はPFOA含有廃棄物が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのないものであること。 

また、可能な限り分別して保管容器への収納作業を行ったり、積込み作業の際は、保管容器を損傷させないように慎重に作業したりする必要があります。

PFOS・PFOAの処理業者を選ぶポイント3選

PFOS・PFOAの処理業者を選ぶポイント3選

本章では、PFOS・PFOAの処理業者を選ぶポイントを解説します。

PFOS・PFOAの処理業者を選ぶ際に、何を基準にすればいいかわからない方は、ぜひ参考にしてください。

  1. PFAS含有物等の現地回収から搬入までの処理実績が豊富である
  2. 荷姿、数量、保管状況などの現場条件を元に安全で最適な対応や提案ができる
  3. 焼却温度が1000℃以上で対応が可能な処理施設を有している

PFAS含有物等の現地回収から搬入までの処理実績が豊富である

PFASは環境中で非常に安定し、取り扱いに特別な注意が必要な物質です。収集運搬業者がPFAS含有物の回収や搬入に関する豊富な処理実績を持っている点は、信頼性のある処理業者を選ぶ際に重要なポイントになります。

ホームページから実績等を確認して、適切な処理業者を選ぶようにしましょう。

荷姿、数量、保管状況などの現場条件を元に安全で最適な対応や提案ができる

PFASを含む廃棄物の収集・運搬では、荷姿や数量、保管状況など、さまざまな現場条件が考慮されます。

処理・運搬業者がPFASの情報を元に安全かつ適切な対応や、提案を行えるかどうかは、廃棄物が安全に処理されるかに大きく影響します。

処理・運搬業者を選ぶ基準として、必要な保護具や搬送方法の選定が正しいか、廃棄物の種類に応じた法令遵守などがしっかり守られているかを確認するようにしましょう。

焼却温度が1000℃以上で対応が可能な処理施設を有している

PFASは、焼却処理で分解されるものの、十分な焼却温度が必要です。

特に、PFOSは850℃以上、PFOAは1000℃以上(1100℃以上を推奨)の温度での処理が推奨されています。そのため、処分業者が1000℃以上の焼却温度を実現できる処理施設を有しているか確認するようにしましょう。

今後は、PFAS規制がさらに強化されることが予想できるため、早い段階で信頼性のある業者を見つけておく必要があります。

PFAS等の処理は専門業者に委託しよう

本記事では、PFASの処理について詳しく解説しました。

PFASの処理は、専門的な知識と技術を要する複雑な作業です。PFASは、環境や健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、適切な処理方法が求められます。

専門業者は、最新の技術と規制に基づいた適切な処理を行う能力を備えており、安全性を確保しながら効果的な対応が可能です。また、本記事で解説した法律や規制の遵守も、重要な要素であり、専門業者に委託して法的なリスクの軽減が可能です。

株式会社太陽油化では、PFAS処理に関するご相談を、ホームページより承っております。PFAS処理でお悩みの方は、ぜひ株式会社太陽油化までご連絡ください。

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